
清水香基 助教
社会学部 社会学科
同志社大学ではどんなことが学べるの?どんな先生がいるの?
実際の研究室を訪ねて、先生にお話を聞きました。
東アジアの宗教意識を統計により分析
こんにちは。社会学部先生は今、どんな研究をしているのですか?
社会学部先生
質問紙調査(アンケート調査)のデータを使って、人びとのものの見方や考え方の相互関連を研究しています。最近は特に、東アジアの人びとの「宗教」や「道徳」に関する感覚に注目しています。たとえば「悪いことをするとバチが当たる気がする」といった広い意味での宗教意識が、日常の行動や幸福感とどのようにつながるのかを調べています。
研究にのめり込んだきっかけ
先生はどうしてこの研究への道を選んだのですか?
社会学部先生
大学生のときに社会調査を学び、本来は数値化できないような人びとの社会的な意識や行動をデータから把握しようとするための方法や、それを通じて社会の在り様を描くという知的営みの面白さに惹かれました。また、定量的なデータは客観的なものと考えがちですが、実は調査の設計、質問の仕方、データ分析の手法によって結果はかなり変わってきます。社会調査で得られるデータはどれも「事実」なのですが、視点をどこに置くかで見えてくるものがまるっきり違ってきます。だからこそ分析の視点が問われ、新しい研究を始める時には「どのような視点があり得るだろうか」「僕はどの視点に立とうか」を問うところから始めます。これは人や社会に関する現象を対象にする、社会科学ならではの面白さの一つだと思っています。
いま研究室で推しの学び
学生たちはいま先生の研究室(ゼミ)でどんなことを学んでいるのですか?
社会学部先生
3年次のゼミでは学生に社会学の理論を扱うテキストと、実際の社会調査にもとづく実証研究の本をバランスよく読んでもらっています。3年次の後半からは、個別に設定したテーマの独自研究に取り組んでもらって定期的に議論を交わしています。ゼミ生の研究テーマは、若者の地方志向の規定要因、居合道部内での文化の継承と再生産、福祉現場での宗教の役割、移民の墓地問題、現代の古着文化の様相、SNSと自己肯定感の関係、なぜ贈り物に花束が好まれるのかなど、さまざま。インタビューやフィールドワーク、参与観察、アンケート調査など、個々の関心や合わせて自由なアプローチで取り組んでもらっています。
3年次のゼミ合宿での卒論構想報告会の様子
この研究が持つ可能性とは
この研究はどんなことに役立つのでしょうか。
社会学部先生
私の専門は、広い言い方をすると「統計データを用いた社会意識研究」や「国際文化比較研究」ということになるのですが、自分とは異なる人々のことを理解するためのツールとして、統計データをどのように役立てていけばいいのか、という点を意識しています。AIの流行も含め、大規模データや統計的分析手法の利活用が注目を浴びていますが、しっかりと付き合い方を考えないと偏見や差別を強化したり、対立を煽るための道具になりかねません。最近は「統計リテラシー」という言葉も耳にしますが、単に統計学の知識だけでは不十分で、現象を多角的に読み解こうとする視座がますます重要になってきていると感じています。
清水先生が思い描く未来
先生のいまの目標、夢は?
社会学部先生
宗教意識に関する研究において、定量的な社会調査は一般的ではありません。その理由は、信頼できる定量調査にはかなりの時間とお金がかかり、個人の研究者が気軽にできるようなものではないからです。そこで私は、関連領域の研究者や実務家がそれぞれに問い持ち寄って、協力して大規模な社会調査を行なう「プラットフォーム」のようなものができればと思っています。実は社会学の中でも、階層研究や家族研究ではすでにそういうものが存在します。それを宗教、文化、社会意識の領域に広げていくことで、もっと多様な問いを社会に投げかけられる環境を作っていきたいと考えています。
清水先生からメッセージ
最後に、これから大学への進学を目指している人たちへ、メッセージをお願いします!
社会学部先生
大学での4年間は、自分が「おもしろい」と思うことを突き詰めてください。ただ、好きなことを突き詰めるのは意外と難しいもので、どうすればより突き詰められるのか、その「方法」を学ぶのが大学での学びになります。突然「好きなことを自由に」と言われても困ってしまう人は、常に自分が何に興味があり、何が好きなのかというアンテナを立て、できるだけたくさん発見してください。その対象が多ければ多いほど、その後の学びにつながります。おもしろいと思う感情こそが学びの原動力です。
社会学部先生、本日は様々な質問にお答えいただきありがとうございました!
プロフィール

清水 香基
社会学部 社会学科
2012年青山学院大学総合文化政策学部卒業。15年青山学院大学大学院総合文化政策学研究科修了。20年北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)取得。北海道大学大学院文学研究院助教を経て、25年より同志社大学社会学部助教。
- 出身地:
- 愛知県
- 趣味:
- 料理、散歩、旅行、猫と遊ぶ
- 休日の過ごし方:
- 家族で散歩や買い物に出掛けたり、研究者の集まりに顔を出したり、授業準備や原稿の〆切に追われていたり。昼前頃まで寝てしまいもったいなかったと後悔することもあります。




































