瀧田 健介 准教授

文学部 英文学科

ようこそ、研究室へ

同志社大学ではどんなことが学べるの?どんな先生がいるの?
実際の研究室を訪ねて、先生にお話を聞きました。

言語の“多様性”の背後に潜む“普遍性”の探求

こんにちは。瀧田先生は今、どんな研究をしているのですか?

瀧田先生 生成文法と呼ばれる言語学の理論に基づいて、英語と日本語を中心に様々な言語の文の仕組みを研究する比較統語論という分野が専門です。特に、文の構造を生み出す仕組みの研究を通じて、様々な言語の違いの背後に潜む、ヒトの言語の根本的な共通点を明らかにしようとしています。

講義の様子。※撮影時のみマスクを外しています。

研究にのめり込んだきっかけ

先生はなぜ、この分野の研究の道に進んだのですか?

瀧田先生 もともと読書が好きで、中高生の頃は英語や国語の長文を試験問題そっちのけで読んでいました。ある時ふと抱いた、「英語は日本語と全く異なっているのに、なぜなんとなくでも読めてしまうのだろう」という疑問から言語学に興味を持ちました。そして大学生の時に「ヒトの言語は全て共通の基盤の上に成り立っており、英語や日本語の違いは見かけ上のことに過ぎない」という生成文法理論に出会い、衝撃を受けるとともに大いに納得したことがきっかけです。

いま研究室で推しの学び

学生たちは、先生のゼミでどんなことを学んでいるのですか?

瀧田先生 言語学の論文を読み、その中で興味を持った研究トピックについて卒業論文を書くための準備をしています。ゼミ生の研究テーマは、「to不定詞節の意味上の主語の性質」、「動詞とそれがとる従属節との構造的関係」、「言語の歴史的変化の背後にある仕組み」、「文の構造を生み出す原理の解明」など幅広く、互いに切磋琢磨しています。

ゼミでの風景。

この研究が持つ可能性とは

言語について学ぶことは、どんなことに役立つのでしょうか。

瀧田先生 生成文法理論は、言語はヒトという生物種の持つ特別な能力で、その解明はヒトの本質の解明につながるという立場をとっています。普段の何気ない言語表現も、よく観察するといかに複雑な仕組みの上に成り立っているのかが分かり、英語と日本語を比較すると、見かけ上の違いよりも意外な共通点の方が多いことが分かります。このような「言語に対する気づき」は、人生をより豊かに過ごす上でとても有意義だと思っています。

瀧田先生が思い描く未来

先生の今の目標はなんですか?

瀧田先生 自分の知的好奇心に従って行った研究の成果を世界に発信していくとともに、その成果の面白さを大学生だけではなく、中高生・社会人を含む言語に関心を持つ多くの人に伝えることで、言語研究の裾野を広げていきたいと考えています。

国際学会(ノルウェー・オスロ大学で開催された第42回ヨーロッパ生成文法学会)でのポスター発表の様子。

瀧田先生からメッセージ

最後に、これから大学への進学を目指している人たちへ、メッセージをお願いします!

瀧田先生 私たちが生きていく上で、言語と無関係であるということはあり得ません。ですから、言語の仕組みを詳しく知ることは、知的好奇心を満たすだけではなく、皆さんの人生をより豊かなものにしてくれると信じています。また、言語は様々な側面を持つ複雑な現象なので、一人で研究するよりも多くの仲間とアイデアを共有することが大切になります。そのためにも皆さんの力が必要です。ぜひ、一緒に研究してみませんか。

瀧田先生、本日は様々な質問にお答えいただきありがとうございました!

プロフィール

瀧田 健介

文学部 英文学科

2004年慶應義塾大学文学部卒業、06年慶應義塾大学大学院社会学研究科修士課程修了。米国コネティカット大学言語学科訪問研究員を経て、10年南山大学人間文化研究科博士後期課程修了、博士(言語科学)取得。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、12年〜三重大学人文学部特任准教授、15年〜明海大学外国語学部・同大学院応用言語学研究科准教授。19年より同志社大学文学部准教授。

出身地:
茨城県
趣味:
読書、音楽(聴く方も演奏する方も)、料理(作る方も食べる方も)、子どもと遊ぶこと。
休日の過ごし方:
学会や研究会がない日は家族と過ごすことが多いです。最近は子どもを習い事や公園に連れて行くと休日が終わります。

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