森山 央朗 教授

神学部 神学科

ようこそ、研究室へ

同志社大学ではどんなことが学べるの?どんな先生がいるの?
実際の研究室を訪ねて、先生にお話を聞きました。

1000年前のイスラーム教社会を研究

こんにちは。森山先生は今、どんな研究をしているのですか?

森山先生 11世紀頃の西アジアのイスラーム教徒の社会で、ウラマーと呼ばれるイスラーム教の宗教的な学者たちが、コーランやハディース(預言者ムハンマドの言行に関する伝承)などの知識をどんな風に使って、どんな活動をしていたのかを研究しています。

研究対象のウラマーたちが書いたアラビア語やペルシア語などの写本の調査に通ってきたイスタンブールの図書館です。この図書館は、オスマン帝国時代のマドラサ(学院)の建物を利用しています。

研究にのめり込んだきっかけ

どうしてこの研究に興味を持たれたのでしょうか。

森山先生 成り行きです。子どもの頃は、三葉虫などの「はかせ」になりたいと思っていましたが、どうにも頭が文系で、高校3年生の夏になぜかイランの歴史を研究したくなって、大学は史学科に進みました。その後、大学・大学院で自分の興味が向き、それなりに研究の材料になる史料が残っているテーマを探して迷ううちに、現在の研究に辿り着きました。

研究室の写真。アラビア語の多巻本は、全巻揃えると背表紙にタイトルが浮き出す装丁になっているものがしばしばあります。

いま研究室で推しの学び

学生たちは、先生のゼミでどんなことを学んでいるのですか?

森山先生 現代のイスラーム教徒に関する研究をする学生が多いです。印象に残っている卒業論文テーマとしては、1960年代のレバノンの学生運動におけるイスラーム教徒とキリスト教徒の関係を論じたものや、イランの女性雑誌の分析、エジプトのイスラーム主義者のアメリカ留学記の分析などがあります。私の専門に近いところでは、10世紀頃のイラク・イランにおけるイスラーム教の神学思想や宗教的歴史観を研究している学生・院生がいます。

この研究が持つ可能性とは

そうした研究は、どんなことに役立つのでしょうか。

森山先生 私の研究は歴史学の分野で、西アジア史・イスラーム史研究の一角を占めるという位置づけです。あるいは、知識を身につけることが、人間の社会でどんな意味を持ってきたのかという問題を、今から千年くらい前のイスラーム教徒の学者たちを例として考えるということになるのかもしれません。

卒業生の活躍

ゼミの卒業生は、どんな分野で活躍していますか?

森山先生 卒業生の進路としては、一般就職が多いですが、本学や他大学(京都大学や早稲田大学など)の大学院に進んで、イスラーム教に関する研究を続ける卒業生や、スウェーデンやイギリスやトルコで、難民支援や開発援助の仕事に携わることを目指して勉強を続けている卒業生もいます。

森山先生が思い描く未来

先生の夢はなんですか?

森山先生 自分の研究を続けて、その成果を論文や著書として発表していくことです。

森山先生からメッセージ

最後に、これから大学への進学を目指している人たちへ、メッセージをお願いします!

森山先生 自分で面白いと思えるテーマを見つけて、楽しく学んでください。

森山先生、本日は様々な質問にお答えいただきありがとうございました!

プロフィール

森山 央朗

神学部 神学科

1996年東京都立大学人文学部史学科卒業、99年東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。同年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程に進学、2001年から03年に在ダマスカス・フランス・アラブ学研究所で在学研究、09年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(文学)取得。日本国際問題研究所研究員などを経て、13年から同志社大学神学部准教授、2019年より同教授。

出身地:
東京都
趣味:
料理。学部生の頃の指導教官だったインド史の先生から教わった北インド風カレーなどを作ります。
休日の過ごし方:
授業準備や研究作業には終わりがないので、平日と休日の境が曖昧です。暇ができるとゴロゴロしています。

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