田村 晃裕 准教授

理工学部
情報システムデザイン学科

ようこそ、研究室へ

同志社大学ではどんなことが学べるの?どんな先生がいるの?
実際の研究室を訪ねて、先生にお話を聞きました。

ニューラルネットワークを用いた自然言語処理の研究

こんにちは。田村先生は今、どんな研究をしているのですか?

田村先生 「自然言語処理」といって、私たちが普段使っている日本語や英語などの言葉やテキストを、コンピュータで解析したり処理したりする技術を研究しています。分かりやすい例を挙げると、コンピュータで自動的に翻訳を行う機械翻訳技術や、文章を自動的に要約する自動要約技術などです。特に今は、人間の脳の仕組みをコンピュータ上で真似したニューラルネットワーク(※)を駆使する方法を研究しています。※ニューラルネットワーク:情報処理方法の一つで、人間の神経ネットワークを模したコンピュータ上の計算モデル。

研究にのめり込んだきっかけ

どうしてこの分野に興味を持ったのですか?

田村先生 大学生の頃に普及し始めたブログを使ってから、インターネット上でのコミュニケーションや、インターネットにあるテキストを利用することに興味を持つようになりました。そして、学部4年生の時に当時ブログの研究を行っていた研究室に入ったことが、自然言語処理の研究を始めたきっかけです。そこから自然言語処理全般を学んでいく中でその面白さや魅力にはまり、以来、研究を続けています。

いま研究室で推しの学び

研究室の学生たちは、どんな研究しているのですか?

田村先生 それぞれが自分の趣味や興味にあわせて、自然言語処理に関する研究をしています。今は機械翻訳について研究をしている学生さんが多いですね。翻訳精度を上げるためにニューラルネットワークを使った新しい方法を研究したり、専門家向け、一般人向け、小学生向けなど、使う人によって翻訳の内容を変えることを目指した研究をしています。

機械翻訳のほかには、どんな研究をしている人がいますか?

田村先生 ファンの目線で野球の試合レポートを自動生成する技術や、テキストの中に絵文字を自動挿入する技術、画像に対する説明文を自動生成する技術など、多種多様です。

この研究が持つ可能性とは

いろいろな研究テーマがあるのですね! この分野の技術は将来、どんなことに役立つのでしょうか。

田村先生 自然言語が関連する、あらゆる生活場面で役立つと思っています。たとえば、機械翻訳はグローバル化に伴って外国語に接する機会が増える中で役立ちます。また、コロナ禍の影響もあって様々な業種で社内のデジタル化が進んでいますが、蓄積された電子テキストを効率的に利活用する際にも役立つでしょう。さらに、将来的にはロボットが私たちの生活に深く関わると思いますが、ロボットと自然なコミュニケーションを行う上でも自然言語処理は重要です。

田村先生が思い描く未来

なるほど。では、先生の今の目標はなんですか?

田村先生 これまでは、人々の生活を便利で豊かにする自然言語処理の研究を目指していました。新型コロナウイルスの蔓延や自然災害が頻発している状況を受け、今は、人を助け、守る自然言語処理技術を創出するという目標も加わりました。たとえば、非対面のコミュニケーション支援により病気の感染リスクを低減させたり、テキストデータを活用して災害状況を把握することで被害を抑えたりすることができると思っています。

田村先生からメッセージ

最後に、これから大学への進学を目指している人たちへ、メッセージをお願いします!

田村先生 広く情報収集して自分の夢や将来像を熟考して大学を選びましょう。今が色々な選択肢を選べるよい機会だと思います。百も承知だと思いますが、大学に入ることはゴールではなく将来の通過点の一つです。夢に向かって突き進んでください!

田村先生、本日は様々な質問にお答えいただきありがとうございました!

プロフィール

田村 晃裕

理工学部 情報システムデザイン学科

2001年東京工業大学工学部卒業、07年東京工業大学総合理工学研究科修士課程修了。13年東京工業大学総合理工学研究科博士課程修了。博士(工学)取得。日本電気株式会社研究員、国立研究開発法人情報通信研究機構研究員、愛媛大学大学院理工学研究科助教を経て、20年より同志社大学理工学部准教授。

出身地:
神奈川県
趣味:
スキューバダイビング、食べ歩き。
休日の過ごし方:
幼稚園児の息子と公園で遊んだり、テレビゲームやボードゲームをしたりすること。

学部学科の詳細情報

OTHER LABORATORY 他の研究室はこちら