藤村 友美 准教授
心理学部 心理学科
同志社大学ではどんなことが学べるの?どんな先生がいるの?
実際の研究室を訪ねて、先生にお話を聞きました。
表情の「同調現象」から心の仕組みを解明
こんにちは。藤村先生は今、どんな研究をしているのですか?
藤村先生 表情による感情のコミュニケーションの研究をしています。私たちは笑っている人を見ると、自分も思わず笑顔になることがありますよね。こうした表情の「同調現象」を調べることで、他者の感情を理解することや、共感の心理学的プロセスを明らかにする研究を行っています。
研究にのめり込んだきっかけ
よくあります。「同調現象」って言うのですね。先生が心理学を学ぼうと思ったきっかけを教えてください。
藤村先生 高校3年生の時、心理学部のオープンキャンパスで、ラットの行動実験をするという話を聞いて衝撃を受けたことをよく覚えています。「人の心を知るのにラットから始めるの? 一体どんなことを勉強するのだろう」という気持ちで進学を決めました。
どうして研究テーマに「表情」を選んだのですか?
藤村先生 心理学は、行動の科学とも言われます。心の仕組みを解明するために、どんな実験をしたら良いのかを考え、仮説を検証することはとても楽しいです。テーマに「表情」を選んだのは、目に見えない人の心がはっきりと表れるものだから……でしょうか。
生理測定機器。
いま研究室で推しの学び
先生のゼミで、学生たちはどんなことを学んでいるのでしょうか。
藤村先生 表情の同調現象はどんな状況で起こりやすいのか、同調が起きやすい人の特徴は何か、ということについて取り組んでいます。卒業論文では、「自分の身体感覚に敏感な人ほど、相手の表情の変化にも敏感になり、表情同調が起きやすいのか」ということを実験で調べました。学生たちは、生理指標(※)の測定方法やデータの解析方法を習得し、最新の論文を読みながら、一緒に研究を進めています。※生理指標:表情の筋肉の動き,心拍数,発汗などを調べる指標のことです。
生理測定の様子。
この研究が持つ可能性とは
表情に関する研究は、将来、どんなことに役立つと思いますか?
藤村先生 表情同調に限らず、表情の研究は、ここ数年で大きく変化したコミュニケーションの様式を最適化することに役立つと考えています。オンラインでのコミュニケーションをスムーズに行うためにはどんなシステムが必要なのか、マスクを着用した状態で相手の気持ちを読み取るために気を付けることなど、心理学的知見を提供できると思っています。
生理測定のデータ。
藤村先生が思い描く未来
私たちの生活に身近な研究ですね。では、先生の今の目標はなんですか?
藤村先生 国際的に活躍できる研究者になることです。世界には自分の予想を超えた技術とアイデアを持った研究者がたくさんいます。その人たちとつながって、わくわくする研究を進めていきたいです。また、まだ教員歴は浅いので、学生の知的好奇心を刺激する魅力的な講義ができるようにもなりたいですね。
藤村先生からメッセージ
最後に、これから大学への進学を目指している人たちへ、メッセージをお願いします!
藤村先生 あなたは、大学を卒業した時、どんな大人になっていたいですか? 就職する、資格を取得する、進学する、そして、どんな仕事がしたいでしょうか。大学は、社会に新しい価値を生み出すための学びを行う場所です。あなた自身の未来が描ける大学を見つけてください。
藤村先生、本日は様々な質問にお答えいただきありがとうございました!
プロフィール
藤村 友美
心理学部 心理学科
2004年同志社大学文学部卒業、09年同志社大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程修了。博士(心理学)取得。日本学術振興会特別研究員、独立行政法人科学技術振興機構研究員、国立研究開発法人産業技術総合研究所主任研究員を経て、20年より同志社大学心理学部准教授。専門は感情心理学、精神生理学。
- 出身地:
- 京都府
- 趣味:
- 美術館に行く、絵を描く。
- 休日の過ごし方:
- 子どもと公園に行く、海外ドラマを観る、お酒を飲みながら野菜を切る(平日の晩御飯の準備)。