上田 眞士 教授

社会学部 産業関係学科

ようこそ、研究室へ

同志社大学ではどんなことが学べるの?どんな先生がいるの?
実際の研究室を訪ねて、先生にお話を聞きました。

産業社会における雇用関係の研究

こんにちは。上田先生は今、どんな研究をしているのですか?

上田教授 現代の日本の産業社会を中心に、雇用関係の内容を研究しています。雇用関係というのは、分かりやすく言えば、組織としての会社とその中で働く従業員とが取り結ぶ関係です。社内での仕事がどのように決まっていくのか、それに対して報酬(給料)がどのような制度で支払われるのか。その点を勉強しています。一方は仕事論、他方は賃金論と呼ばれてきました。

研究にのめり込んだきっかけ

どうして雇用関係の研究に興味を持たれたのでしょうか。

上田教授 中学・高校時代には、野球部でのクラブ活動に没頭していました。勉強にはあまり身が入らず、学業成績は平々凡々なものでした。研究に熱心になったのは、大学院に進学した頃からです。一方に世代で継承される資産家の富裕な人たちがおり、他方に日々働けど生活が楽にならない大勢の人たちがいる。そうした社会の構造を「わかりたい」と思ったことがきっかけです。

いま研究室で推しの学び

学生たちは、先生のゼミでどんなことを学んでいるのでしょうか。

上田教授 ゼミの学生たちは、自らの関心に沿って、様々なテーマで卒業論文に取り組んでいます。昨今の卒業生たちのテーマを挙げると、たとえば「AI(人工知能)が雇用に及ぼす影響」、「女性活躍と働き方改革」、「LGBTと共存できる社会」、「外国人労働者の受け入れ問題」などが、世相や時流を反映した目立ったテーマであるように思います。

研究をする上で心がけていることはなんですか?

上田教授 「幽霊の正体見たり、枯れ尾花」という言葉があります。敢えて勝手なたとえ方をすれば、研究を通して「正体」を突き止めれば、人を脅かす怪異な「幽霊」も消えていくのだと思います。社会についての学問が、人間の「自由」を拡大する。今も心に残る、若い頃に先生から教わった考え方です。あらかじめ役立つこと、目的地を定めた研究も大事でしょう。けれども、私は「わかりたい」という気持ちを、一番大切にしたいと考えています。

上田先生が思い描く未来

なるほど。では、先生の今の目標を教えてください。

上田教授 成長を第一義にしてきた経済社会は、少なくとも先進国を見る限り、現在大きな曲がり角に差しかかっているように思います。研究室を根城にしながら、社会の現場へ赴く。労働問題に限らず、様々な社会的課題に積極的に関わっていくことが、私の今の現場主義の「目標」です。

上田先生からメッセージ

最後に、これから大学への進学を目指している人たちへ、メッセージをお願いします!

上田教授 まずは大学では貪欲に読書してください。知的な体力の涵養という点でも、学術書に限らず精力的に読書してほしいと思います。それから、クラブ活動やサークル活動などを通じて、大いに「徒党」を組んで「青春」してください。「仲間」を組織できる力は、若年時代に培うべき大事な力だと思います。

上田先生、本日は様々な質問にお答えいただきありがとうございました!

プロフィール

上田 眞士

社会学部 産業関係学科

1985年東京大学経済学部卒業。労働組合職員の勤務を経て、95年京都大学大学院経済学研究科修士課程入学。2000年同研究科博士後期課程修了。博士(経済学)の学位取得。02年〜久留米大学商学部助(准)教授、08年〜久留米大学商学部教授を経て、10年より同志社大学社会学部教授。

出身地:
京都府
趣味:
卓球およびプロ野球の観戦。実技センスは皆無ですが,スポーツは大好きです。
休日の過ごし方:
買物、家事手伝い、爆睡。

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