小武内 清貴 准教授

理工学部 機械システム工学科

ようこそ、研究室へ

同志社大学ではどんなことが学べるの?どんな先生がいるの?
実際の研究室を訪ねて、先生にお話を聞きました。

「材料」と「機械要素」の両面から新しい製品を開発

こんにちは。小武内先生は今、どんな研究をしているのですか?

小武内先生 私が所属している構造工学研究室では、大きく分けて材料系と機械要素系の2つの分野の研究をしています。材料系では、主にCFRP(※)など複合材料と呼ばれる材料の研究を、機械要素系では、主に車輛に用いられているCVT(※)と呼ばれる無段変速機の研究をしています。※CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plasticsの略語。樹脂を炭素繊維で強化した「炭素繊維強化プラスチック」で、軽量で強度が高く、航空機の機体にも利用されている。※CVT:Continuously Variable Transmissionの略語。ギア(歯車)ではなく、2つの滑車の幅を変えることで速度を無段階に変える仕組み。

研究にのめり込んだきっかけ

この分野に興味を持ったのはいつ頃でしたか?

小武内先生 子どもの頃から機械が好きでした。物を分解したり、改造したりすることが好きで、科学者になることが夢でした。大学時代に所属したサークルでは、レーシングカーを部品から設計・製作してレースに出場するといった活動をしていて、4年生の時にはサークルの顧問をしていた教授の研究室で、バイクのブレーキに関する研究をしていました。

いま研究室で推しの学び

子どもの頃の夢を叶えたのですね! 先生の研究室ではどんなことを学んでいるのでしょうか。

小武内先生 研究テーマの一例を挙げると、「衝撃を受ける複合材料中の繊維樹脂間のじん性評価」、「自動車用ベルト式CVTの高効率化のための内部荷重分担変化メカニズムの解明」などがあります。

なんだか難しい単語ばかり……。具体的に教えてもらえますか?

小武内先生 前者では衝撃がかかった時に、複合材料の中にある繊維と樹脂との間に作用する力を解析したり、繊維と樹脂とが剥がれる現象を調査したりしています。また、後者では複数の自動車メーカーや部品メーカーが集まる技術共同組合と、実際に車輛に搭載されているCVTを使って共同研究を行い、CVTの部品の一つであるベルトに作用する力の測定に取り組んでいます。

この研究が持つ可能性とは

そうした研究によって、どんなことができるようになるのでしょうか。

小武内先生 耐久性の高い複合材料が開発されれば、たとえば軽量で衝撃に強いテニスラケットが作れるようになるかもしれません。また、CVTのベルトに作用する力や動きが分かると、速度の切り替えをうまく制御できるようになるので、変速の応答が早くなり、車輛の燃費が良くなるといったことが期待されます。

研究室を卒業した学生は、どんな業界で活躍していますか?

小武内先生 自動車産業に限らず、材料系や機械系のメーカー、ソフトウェア企業など、様々な分野に就職していますよ。

小武内先生が思い描く未来

先生の今の目標を教えてください。

小武内先生 現在開発中の加速度計測装置を用いて、運転中のCVTのベルト軌跡を可視化することです。測定はうまくできるようになってきたのですが、まだ軌跡を可視化できていないので、学生と一緒にいろいろと検討しています。

小武内先生からメッセージ

最後に、これから大学への進学を目指している人たちへ、メッセージをお願いします!

小武内先生 「大学に進学すること」を目標とするのではなく、「大学に進学して何をしたいのか」、「大学での学びを通してどういった社会人になりたいのか」という目標を持って勉強すると良いと思います。また、進学してからも様々なことに興味を持って取り組む姿勢を大事にしてください。

小武内先生、本日は様々な質問にお答えいただきありがとうございました!

プロフィール

小武内 清貴

理工学部 機械システム工学科

2006年同志社大学工学部エネルギー機械工学科卒業、08年同志社大学大学院工学研究科機械工学専攻博士課程(前期課程)修了、11年同志社大学大学院工学研究科機械工学専攻博士課程(後期課程)修了。博士(工学)取得。10年~日本学術振興会特別研究員DC2、11年~岡山県立大学情報工学部助教を経て、18年より同志社大学理工学部准教授。

出身地:
大阪府
趣味:
ドライブ、車の整備。
休日の過ごし方:
天気が良ければ車を整備したりドライブしたりすることが好きです。

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