神谷 遊 教授

法学部 法律学科

ようこそ、研究室へ

同志社大学ではどんなことが学べるの?どんな先生がいるの?
実際の研究室を訪ねて、先生にお話を聞きました。

多様化する家族と法の関係を研究

こんにちは。神谷先生は今、どんな研究をしているのですか?

神谷先生 民法、その中でも家族法が専門分野です。これまでに、離婚制度や成年後見制度などをテーマとしながら、家族と法との関わりについて研究を進めてきました。社会の高齢化や少子化により家族の多様化が進んでいますが、家族に対する法の関わり方は国によって様々です。私は大学院時代にドイツで勉強していたことがあり、ドイツ家族法との比較研究を通じて日本の家族法の特質を明らかにし、今後のあるべき姿を探っています。

研究にのめり込んだきっかけ

先生はなぜ家族法に興味を持ったのですか?

神谷先生 よく考えてみると、人間は出生と同時に家族に組み込まれ、家族というつながりの中で一生を終えます。そうした家族関係に一定のルールを設定しているのが家族法ですから、意識していようといまいと、人は家族法に包まれて人生を送っているのです。そのことへの気づきが、私を家族法の世界へと誘ってくれました。

いま研究室で推しの学び

先生のゼミではどんなことを学んでいるのでしょうか。

神谷先生 家族法を含む民法の分野における重要判例、最新判例を研究しています。「夫婦別姓」、「離婚法における破綻主義 ―有責配偶者からの離婚請求」、「生殖補助医療によって生まれた子の親子関係」、「共同相続人間における相続回復請求」、「『相続させる』旨の遺言の法的性質」など、ゼミ生がテーマを選択し、判例の研究報告をして討論を行います。

ゼミ生の研究報告の様子。この日のテーマは、「夫の死亡後に夫の凍結保存精子を用いた人工授精により生まれた子の親子関係」でした。

この研究が持つ可能性とは

法律を学ぶことは、将来どんなことに役立つのでしょうか?

神谷先生 家族法に限定するならば、家庭生活を営む上でのお得情報が満載だと言えるでしょう。もっとも、それは極めて表面的なことです。

では、具体的にどんな力を身につけられますか?

神谷先生 法律を学ぶということは、社会を学ぶことであり、さらには社会を構成する人間を学ぶということです。人間社会で起こる様々な事象を知り、何が問題かを見抜く力(問題発見能力)を磨き、問題解決に向けて筋道を立てて思考を重ねる力(論理的思考能力)を身につける訓練をするのがゼミでの学びであり、こうした能力はどのような分野に進むにしても、絶対に役立つものだと考えています。

ゼミの授業風景。班ごとにテーマについて検討中。

神谷先生が思い描く未来

先生の夢を教えてください。

神谷先生 これまでにも優れた学生との良い出会いが数多くありました。これからも、一人でも多くの学生と家族法研究の面白さや奥深さを共有し、家族法の今後について語り合うことが夢です。

神谷先生からメッセージ

最後に、これから大学への進学を目指している人たちへ、メッセージをお願いします!

神谷先生 同志社大学の学風からすると、大学で何かを強制されることはほぼ無いと言ってよいでしょう。むしろ、みなさんの姿勢次第で、大学から多くの「知」を引き出すことができます。聖書の言葉に重なりますが、「求めよさらば与えられん」です。

神谷先生、本日は様々な質問にお答えいただきありがとうございました!

プロフィール

神谷 遊

法学部 法律学科

1980年同志社大学法学部を卒業して大学院法学研究科に進学。その後(財)比較法研究センター研究員、京都学園大学法学部助教授を経て、94年から広島大学法学部助教授、同教授、広島大学法科大学院教授。2007年より同志社大学法学部教授。

出身地:
京都府
趣味:
コーラス。声を合わせて歌うことが好きで、某合唱団でBassを担当しています。
休日の過ごし方:
原稿の締切りが近づくと、休日もパソコンの前で資料の山と格闘しています。

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