佐藤 郁哉 教授
商学部 商学科
同志社大学ではどんなことが学べるの?どんな先生がいるの?
実際の研究室を訪ねて、先生にお話を聞きました。
組織論の研究と、調査方法の構築
こんにちは。佐藤先生は今、どんな研究をしているのですか?
佐藤先生 組織論と調査方法論が専門です。授業では、主に企業組織の経営に関する内容について講義していますが、一方で、効率的なビジネス手法と言われる経営法が、非営利部門や公共部門で誤用されている例(たとえば、教育行政や大学組織におけるPDCAサイクル※の誤用)に興味を持っています。※PDCAサイクル:Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)のサイクルを繰り返し行い循環させることで、継続的な業務の改善を促すという手法のこと。
研究にのめり込んだきっかけ
先生はどうしてそのようなテーマに興味を持たれたのでしょうか。
佐藤先生 もともとの専攻が心理学や社会学だったので、経営学や経営学系の組織論を少しばかり違う角度から見るようになったのが大きかったのでしょうね。
いま研究室で推しの学び
学生たちは、先生の授業でどんなことを学んでいるのでしょうか。
佐藤先生 テーマの選択は基本的に自由です。ただし、どんなテーマを選ぶ場合にせよ、方法論(問いと仮説の設定の仕方、データの収集・分析の仕方、論文のまとめ方など)の基本を押さえることを期待しています。
この研究が持つ可能性とは
そうした学びが、将来、どんなことに役立つと思いますか?
佐藤先生 ビジネスに関わる事柄だけでなく社会で生じている様々な出来事や現象について、常識や通念にとらわれずに批判的に検討できる視点を身につけていくことを期待しています。
佐藤先生が思い描く未来
先生のいまの夢はなんですか?
佐藤先生 研究方法論に関しては、基本的な用語の誤用、たとえば「アンケート」や「ヒアリング」が日本社会から根絶されていくために力を尽くしていくことが見果てぬ夢です。
「アンケート」や「ヒアリング」という言葉は誤用されていることが多いのですか?
佐藤先生 そもそも「アンケート」も「ヒアリング」も正式の調査用語ではありません。これまで書いた何点かの技法書でも指摘していますが、それぞれ一種の和製仏語、和製英語に過ぎないのです。(色々な学校で実施されている「授業評価アンケート」なども名称を考え直してみた方がいいかも知れませんね。)
佐藤先生からメッセージ
最後に、これから大学への進学を目指している人たちへ、メッセージをお願いします!
佐藤先生 デジタル・デトックスをしましょう。1週間のうちの半日でもいいですから、スマホ断ち、タブレット断ち、PC断ちをして、読むに値する本をじっくりと読み込むことを心がけましょう。また、もし「ネットでちゃちゃっと調べて、パワポでサクっと発表する」習慣がついていたとしたら、その習慣を見直すことができるカリキュラムが提供されている大学を選ぶようにしましょう。
佐藤先生、本日は様々な質問にお答えいただきありがとうございました!
プロフィール
佐藤 郁哉
商学部 商学科
1977年東京大学文学部卒業、84年東北大学博士課程中退、86年シカゴ大学大学院修了(Ph.D.)。一橋大学大学院商学研究科教授等を経て、2016年より同志社大学商学部教授。
- 出身地:
- 宮城県
- 趣味:
- 映画鑑賞。
- 休日の過ごし方:
- 映画鑑賞。