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同志社大学生のリアル。
全学部・全学科の声を集めました。

文学部 哲学科

河嶋瑞貴さん

01

Q. 大学で打ち込んでいること、将来の夢は?

A.

現代フランスの哲学者であるレヴィナスの哲学を中心に、哲学の学習に力を注いでいます。現代の哲学は膨大な哲学史の上に成立しているため、レヴィナス哲学の理解と並行して、古代から現代に至る哲学史の流れを理解することにも努めており、将来は研究者になることを視野に入れています。レヴィナスの哲学を通して全体性に回収され得ない存在として人間を捉えること、そのことを前提として、存在そのものについて問うことを目的としていますが、存在についての議論は常に全体性を伴うため、全体性に回収されない存在としての人間と存在そのものを両立することは至難の業です。この問題を乗り越え、新たな普遍性としての存在そのものを構築する試みに取り組みたいと考えています。

02

Q. 学部はどうやって選びましたか?

A.

高校時代に読んだマックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』に感銘を受け、社会を支える思想、特に政治思想に興味を持ちました。一方で、新聞やニュースを通して、多くの民主主義国家が政治的な困難を抱えていることを知り、その解決策となる新たな選挙制度の考察を目指して政治学科を志望していました。ところがある時、現在の世界が抱える問題の原因は、制度や国家にあるのではなく、それらを支える人間の考え方そのものにあるのではないかと思い、人間の思考の根底にあるものを問うために文学部哲学科を選択しました。

03

Q. 印象に残っている授業はなんですか?

A.

1年次に受講した選択科目『西洋古代中世哲学史(1)・(2)』です。プラトンとアリストテレスの哲学を多様な角度から扱うことで、両者の哲学体系に対する理解を深めました。特に私にとって重要だったのは、初めてアリストテレスの「形而上学」に触れ、自分の哲学的関心が存在論という分野にあることに気づき、その後の学習態度を定められたことです。また、ゼミで本格的にヘーゲルの哲学と向き合い、すべてが「発展」という形で向かっていくことで、一般性、全体性に回収されうるという思想体系の、緻密さと壮大さに衝撃を受けました。何より、入学前に政治学の観点から問題だと感じていた全体性の問題に、哲学の観点から再び対面したことで、課題を再認識する契機にもなりました。

04

Q. 同志社大学生ってどんな人?

A.

堅実な発想をする人が多いと感じます。壮大な目標に向かって突き進むというよりは、今自分にできることは何かを考え、それを1つずつこなしていくことで将来の選択肢につなげようとする傾向が見られます。言い換えれば、現状に大きな不満を抱えていない方が多い、ということを示しているのかもしれません。現況をある程度維持することを前提に、今後の計画を立てているように思います。

05

Q. あなたにとっての同志社大学ってどんなところ?

A.

情熱に対して、情熱で応えてもらえる場所だと考えています。私も哲学の学習のために、日々、多くの先生方や学習施設の方々にお世話になっていますが、常に快く対応していただいています。先生には細かなレポートの採点や、将来に関する相談に乗っていただくだけではなく、厚意で勉強会を主宰してくださり、英語やフランス語の指導までしていただいています。文学部図書室の方々には、急な頼み事に対応していただくこともあり、頭が上がりません。このように、同志社大学では主体性を持って物事に取り組めば、それに対する支援を受けることができると考えています。

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