同志社だからできること

What Doshisha University can do for you

文学部

哲学科

丹野 寧々さん

いま、何を学んでいますか?

特に興味を持って学んでいるのはカントやレヴィナス、西田幾多郎といった哲学者です。
現在はカントの思考を参照しながら、人間は道徳法則や神といった経験の領域を超越した「他なるもの」と出会う時に何を得るのか?「他なるもの」の存する領域を守るためには何が必要とされるのか?という問題について考えています。また複数の哲学者の思考を追うことで、まったく別の概念同士が化学反応的に結びつき、新たな理解が生まれる瞬間を求めています。
3年生になってからは大学院進学を念頭に置いて、単に自分の興味のある領域について学ぶだけではなく、哲学史全体の流れを把握することや、文献を読む際に必要となる英語・ドイツ語への習熟にも努めています。

徳照館の自習スペースは静かな環境で勉強をするのに最適

学部・学科はどうやって選びましたか?

高校時代に公民科の授業で、さまざまな哲学者の思考の一端に触れたことがきっかけです。
それまでは哲学という言葉から、企業の経営哲学や著名人の人生哲学など「尾ひれのついた格言」のようなものをイメージしていたのですが、歴史ある学問としての哲学の姿を知り、単に哲学者の名前や思想を知識として憶えるだけではなく、自ら哲学的問題について考えたいと思うようになりました。
大学選びでは哲学科があることを第一条件にして比較検討しましたが、1年次から少人数授業で自分の考えを発表する機会がある点や、古典的な哲学の研究に力を注いでいる点で、同志社大学は非常に魅力的でした。

同志社大学の好きなところは?

勉学に打ち込むための環境が整っているところです。
文学部・文学研究科の研究室や文学部図書館がある「徳照館」は、学生が自由に使用できる交流スペースや共同研究室があり、静かな環境で勉強をするにはうってつけの場所。図書館の蔵書も豊富で、何年も前に出版された専門書を手に取って読むことができます。
そして何より同志社大学には学生の学びたい気持ちに向き合い、応えてくださる先生方がたくさんいて、私自身も大学院進学を目指すにあたり、学科の先生の厚意で授業の空き時間にドイツ語・英語の勉強会に参加させていただいています。
授業も詰め込み型ではなく、学生が自らの思考を深める機会が用意されたものが多く、コツコツと「自分のしたい学び」に向き合うことができます。

共同研究室で文献をセレクト

卒業後は何をする?

大学院に進学して、カントの思考を「人間と他なるものの邂逅(かいこう)」という軸からさらに深掘りし、自身の思索を深めていきたいと考えています。
カント哲学における「他なるもの」といえば、理論哲学において語られる「物自体」が想起されますが、私はカントの実践哲学の中で見出される「他なるもの」として、道徳法則に着目したいと思っています。将来、研究の実質的な内容を直接仕事に活かすことは難しいかもしれませんが、研究活動で必要となる丁寧に思考を積み上げる姿勢を活かせる仕事をしていきたいと思っています。

受験生へのメッセージ

学年が上がるにつれて、哲学科で必要とされるのは難解な本を読んだ経験でも、哲学者に関する一問一答的な知識でもなく、「それについて考えたくてたまらない」という問題を見つけ、勉学の軸として維持していく能力だと感じています。たとえ高校時代にまったく読書経験がなくても、哲学の主要問題について詳しく知らなくても、「考えたくてたまらないこと」がある人、あるいはそれを見つけたい人にとって哲学科は最適な場所だと思います。

other interviews 他の学部生のインタビューはこちら

PAGE TOP