生命医科学部の
特徴的な学び

生命医科学部が切り拓く未来生命医科学部で取り組む研究テーマ

医工学科

ロボットが高齢化社会を救う

少子高齢化が急速に進む日本では、高齢者の介護問題や生産現場における労働力不足の問題が深刻になりつつあります。しかし、ヒトの歩行や動作をサポートするロボットやアシスト装置の研究・開発を進めることができれば、介護や労働にかかる負荷を大きく軽減でき、こうした問題の解決に貢献することができます。このような「ヒト」を中心とする機械システムの研究を行うには、工学的な知識だけでなく医学的な知識を持ち、さらにそれらを効果的に融合する高い能力が求められます。医工学科では「機械工学」と「医学」が密接に関わり合う分野において、高度かつ先端的な知識や技術を学び、ヒトのために役立つロボットシステムの開発を行っています。

通信ネットワークを用いた分散協調型歩行支援ロボット
食事動作の補助を行う食事支援ロボット

医情報学科

生命の情報処理に学び、幅広い工学と科学に応用する

医療・情報・生命の3つの領域を横断した研究を行っています。例えば超音波診断装置、MRIなどのカラダの内部を可視化する情報技術を用いて、生体組織の温度や硬さや今まで計測が難しかった情報などを詳細に知ります。また、実験動物を対象に神経ネットワークレベルの計測を行うことで、脳の情報処理の謎に迫ります。生命の情報処理の仕組みが分かれば、脳と自動車などの機械を賢くつなぐ技術の開発や、機械に脳の持つマルチスケール・超並列分散性を備えさせることも夢ではありません。医療・情報・生命を柱として新しい工学や科学を学び、新しい人間中心のコミュニティーの創造を目指しています。

医生命システム学科

逆転の発想でアルツハイマー病予防に挑む

アルツハイマー病は主要な認知症で、その克服は世界の共通課題です。この疾患には、脳内で蓄積するアミロイドベータタンパク質(Aβ)が原因と考えられています。したがって、その発症を防ぐにはAβの産生を抑えることが効果的です。しかし、Aβをつくる酵素は健康な生活には不可欠で、単にこの酵素を弱めると深刻な副作用を引き起こします。医生命システム学科では、酵素ではなくAβの前駆体となるタンパク質を創薬標的にすることで、酵素活性を温存しつつもAβ産生を効果的に抑制することに成功しました。こうして、副作用のないアルツハイマー病予防を目指しています。