法学部の
特徴的な学び

充実した導入教育

法学部では、高校までの教育課程ではあまり取り上げられることのなかった法律や政治に関わる諸現象を専門的に学びます。そこで、専門的な科目の履修に先立ち、法律学や政治学を学ぶために必要な学修方法を身につけるための入門科目を設置しています(法律学科:「リーガル・リサーチ」/政治学科:「政治学入門」)。いずれも少人数クラスを多数開設しているので、新入生はこれらのクラスへの参加を通じて同期生との人間関係を築くこともできます。

体系的な学修×自由度が高い展開・発展科目の履修

入門科目に続けて、基礎科目と展開・発展科目が設置されています。入門科目→基礎科目→展開・発展科目の順に履修することで、体系的な学修が可能になります。
展開・発展科目には、多様な分野についてバラエティーに富んだ科目が設置されているので、それぞれの興味やニーズに合わせて自由に履修計画を立てることができます。
法律学・政治学は相互に関連しています。また、法律学・政治学を学ぶ上で、隣接分野の知識が必要となることもあります。
法学部では、他学科や他学部の学問領域に興味を持った学生が、それら科目を履修した場合には卒業単位に算入しています。また、パッケージ単位で履修した場合には、卒業時に副専攻の資格を与えています(副専攻制度)。
法学部生の進路は多様です。そこで、法学部では、進路選択に有益な情報提供を行うとともに(「法職講座」の企画など)、希望進路に応じた履修を可能にするための仕掛けを準備しています。たとえば、法律学科では、それぞれのキャリア設計に役立つ科目を選択してもらうためのガイドラインとして、「履修モデル」を用意しています。また、より高い専門性を身につけるためのプログラムも複数設けられています(下記「各種プログラム」参照)。

活発なゼミ活動

活発なゼミ活動は、法学部の特徴の一つです。ゼミは、2年次の秋学期から始まり、必修ではないものの、ほとんどの学生が履修しています(履修率は82%)。
ゼミでは、調査や報告、ディスカッションを通じて、能動的な学修を行います。

大学の垣根を越えたディベート大会への参加や、国会・裁判所・行政機関等の見学といった、学外での活動を取り入れているゼミも多くあります。
バラエティー豊かな内容のゼミがそろっています。同じ分野でも複数のゼミが開講されており、たとえば民法分野では、学内の民法ゼミが集まって議論する「合同ゼミ」も実施されています。

各種プログラム

法曹養成プログラム

法学部は、同志社大学大学院司法研究科および神戸大学(大学院法学研究科実務法律専攻)との間で、それぞれ法曹養成連携協定を締結し、法曹養成プログラム(法曹コース)を設けています。
2019年度以降に入学した法律学科の学生で、法曹養成プログラムを修了見込みの者は、法曹コース修了者向けの法科大学院入学試験を受験することができます。2022年度は15名が本プログラムを修了し、学内外の法科大学院に進学しています。

企業法務プログラム

企業法務プログラムは、企業の法務関連部門で活躍できるプロフェッショナルを育成するための、法学部独自の教育プログラムです。その最大の特徴は、企業の法務関連部門でのインターンシップである「リーガル・フィールドワーク」を正課科目として開設していることです。参加学生は、実務の場で法務関連の課題を追究することを通じて、「生きた法律」を体験することができます。

留学プログラムなど

将来、世界で活躍したい学生のために、英語で展開する専門科目が設置されています。
また、学部独自の留学プログラムも充実しており、正課科目での海外渡航プログラム(台湾サマープログラム)や、ダブル・ディグリープログラム(学部:アリゾナ大学 大学院:成均館大学、チューリッヒ大学、中国人民大学、リーズ大学など)もあります。

授業Pick Up!

会社法

グローバル化時代の日本経済に法的観点からアプローチ

会社は、世界の経済活動、また、その中での日本の経済活動の、大きな部分を担います(「会社」のない世界は、ちょっと想像できないでしょう)。皆さんの多くも、大学を卒業した後、会社に就職するでしょう。自分で会社を立ち上げたいという人もいるでしょう。
では、会社の経営は、どのようなルールに支えられているのでしょうか。会社法は、会社をめぐるルールを定める法律です。講義では、グローバル化時代の日本経済を理解する上で不可欠な知識を提供します。

模擬国際商事仲裁世界大会(Willem C. Vis International Commercial Arbitration Moot)

企業間の国際取引紛争を、弁護人として解決に導くアクティブ・ラーニング

国境をまたぐ企業間取引で紛争が生じ、国際商事仲裁(国際取引で一般的な紛争解決手続)が開始したという想定の下、各企業の弁護人として、英語による法的主張書面と口頭審問の出来栄えを競い合う世界大会への出場を目指す、演習型の特殊講義です。年度末に香港とウィーンで開催される同大会は、全世界から約400大学、3000名の法学生が集う世界最大の模擬裁判大会で、同志社大学チームはほぼ毎回出場し、過去2度、書面奨励賞を受賞しています。また、日本での壮行大会(国際商取引学会主催)もあり、直近2021年度は英語部門1位の成績を収めました。

政党政治論

現在進行形の日本政治をデータに基づいて分析する

政党政治の諸問題を理論的・実証的に解説する講義です。全15回の講義の前半では、政党とは何か、政党システムとは何か、政党政治における秩序とは何か、といった理論的な学修をします。
後半では、現代日本の政党政治に焦点を当て、①なぜ自民党一党優位が長期にわたって継続したのか、②なぜ二大政党化現象が急速に進展し機能不全に陥ったのか、③かつての自民党政治と現在の自民党政治は同じものなのか、という問いに関わる実証研究の成果を体系的に紹介していきます。

日本法史

過去から現在に至る日本法の流れを史料を通して読み解く

「日本法史」は、今日に至るまでさまざまな形で存在した「日本法」の実態について法律的あるいは歴史的な関心を持ってその解明を目指すとともに、「日本法」がたどってきた歴史的な過程を総体的に捉えようと試みる、法律学における一分野です。
具体的には、「日本法史」における「裁判制度」および「訴訟手続」などの問題に関して、前近代および近代において見られる諸法を素材として検討していきます。古代における律令、中世における武家法、近世における江戸幕府法、さらには近代における諸法典を軸に解説を試みていくことになります。

その他Topics

法と政治のディスクール

法学部では、学生の皆さんに日頃の研究成果を発表する機会を提供するため、1976年から学生論文集を刊行しています。1990年からは『法と政治のディスクール』という名称になりましたが、今日に至るまで、その伝統は受け継がれています。
【2022年度掲載論文】
「素因減額と判例の動向-賠償額算定において被害者の心身の事情を斟酌することについての考察-」「舞踊の振付と著作物性判断について」「日本版NSC・NSS 設立と外交・安全保障政策の変化」「わが国の近代における教育目的の変遷」「安保理の拒否権に関する考察-ウクライナ問題を契機として-」「領域の性質としてのerga omnes 論と国際司法裁判所の判決の相対効」「親権制度における憲法上の論点と共同親権導入の適否について」ほか全19編

充実した施設

法学部生専用の自習室には、約50席のスペースが用意されており、静かな環境で勉強をすることができます。また、法学部生専用の演習準備室を使って、グループでゼミ報告の準備等をすることができます。ゼミごとに割り当てられるロッカーも利用できます。
さらに、法廷教室(法科大学院施設)を利用して模擬裁判やディベートが行われることもあります。

民事模擬裁判の様子

法職講座

法職講座は、法曹(裁判官、検察官、弁護士)はもちろん、司法書士や税理士、公務員(特に裁判所書記官や検察事務官等の司法系公務員)、あるいは民間企業の法務パーソンなど、法律を手腕に活躍することを夢見る法学部生をサポートするための課外講座です。
年間を通じてさまざまな企画(昼休みを利用したランチョン・セミナーのほか、特別企画として、地方裁判所・家庭裁判所見学、裁判傍聴など)を実施しています。

ランチョン・セミナーの様子